サウナでととのう瞬間というのは、まさに至極のときですよね。
しかし、サウナを楽しむためには正しい知識がないと怪我や事故につながることも。
特に気を付けたいのが、『立ちくらみ(立ち眩み)』です。
今回は、サウナをより安全に楽しむための『サウナにおける立ちくらみの原因と対策』について解説していきます。
※この記事の一部画像は公式HPより引用しております
目次
1, あなたは大丈夫?危険な立ちくらみ
サウナで立ちくらみが起きたときに怖いのは、「転倒」および「失神(気絶)」です。
いきなりの立ちくらみにうまく対応できず、そのまま大ケガを負ったり、さいあくの場合は死に至るケースも少なくありません。
はじめは大丈夫だろうとスルーしていましたが、知り合いが事故に遭いその危険性について思い知らされました。
まずは、実際に起きた「サウナでの危険な立ちくらみ」の事例について紹介していきます。
①サウナ室内で失神
サウナ・水風呂・休憩のセットも後半戦に差し掛かったAさん。
この日は平日でほぼ貸し切り状態。あまり体調もすぐれなかったが「せっかくのサウナだから」と、多少無理をしてサウナのルーティンを続けていました。
最終セットのサウナでたくさん汗をかき、「早く水風呂へいこう!」と急いで立ち上がった瞬間、急な眩暈(めまい)に襲われその場に倒れこんでしまいました。
数分後、サウナ室に入ってきた人が倒れているAさんを見つけ、そのまま病院へと運び込まれました。
たまたま一命を取り留めたものの、もしこのまま高温多湿なサウナ室内で長時間放置されていたら、さいあく死に至っていたかもしれません。
②水風呂から出た瞬間、転倒
まだまだサウナには数回しか行ったことのない、サウナビギナーのBさん。
初めての老舗サウナでの1セット目。スーパー銭湯で入った今までのサウナよりかなり熱かったけど、何とか10分間ガマンして入ることができました。
サウナから飛び出て、桶で水風呂を頭から一気にかぶり、すぐに水風呂へ。
水風呂も今までの水風呂とは違い、キンキンに冷えていますがガマン。
1分間ガマンし、ようやく休憩と勢いよく水風呂から出たところで、目の前が真っ暗に。
気付いた時には床に倒れた状態で、前歯が折れ口から出血していました。
水風呂から上がった瞬間、立ちくらみによりそのまま転倒していたのです。
たまたま口の中の怪我だけで済みましたが、打ちどころが悪ければと考えると恐ろしい事例です。
③ベンチで休憩後、転倒
人気ドラマ「サ道」の影響を受け、友だち数人とサウナに来たCさん。
友だちのベテランサウナーのペースに合わせ、少しキツイと感じていたもののサウナ・水風呂・休憩のセットを順調にこなしていました。
最後のセットが終わり、ベンチで外気浴しながら休憩。
頭がボーっとするので本当はもう少し休憩したかったけど、みんなが立ち上がり始めたので急いで立ち上がるCさん。
その瞬間、立ちくらみが襲いそのまま転倒。浴槽の角に頭をぶつけてしまい出血、意識が朦朧としたまま救急車で病院へ運ばれていきました。
一緒に来ていた友だちのおかげですぐに病院へ運ばれましたが、そのまま放置されていたらと思うとゾッとします。
2, 立ちくらみが起きる理由・仕組み
ここからは、サウナライフを正しく楽しむための『サウナ・水風呂で立ちくらみする理由・仕組み』について解説していきます。
①サウナの立ちくらみは貧血じゃない
立ちくらみというと「貧血のせい」と捉えられがちですが、サウナで起こる立ちくらみについては別の原因である可能性が高いです。
貧血とは、一般的には赤血球などが少ないことが原因です。
赤血球は血の中で酸素を運ぶ役割をしているので、赤血球が少ないと酸素不足による眩暈(めまい)息切れ・動悸(どうき)などの症状を引き起こします。
しかし、サウナにおける立ちくらみは貧血ではなく、「血圧」が原因である可能性が高いです。
②原因は急激な血圧の低下
サウナ・水風呂・休憩のセットで立ちくらみする原因は、貧血ではなく『血圧の低下』である可能性が高いです。
サウナで血流がよくなった状態で急に立ち上がると、急激に血圧が下がることで脳まで血液(酸素)を送れなくなります。
その結果、脳が一時的な酸欠状態になることで、立ちくらみが発生するのです。
この症状を医学用語でいうと「起立性低血圧(きりつせい ていけつあつ)」といいます。
③起立性低血圧とは
ここからは、脳が一時的な酸欠状態になることで発生する立ちくらみ、「起立性低血圧」について解説していきます。
サウナ活動の中ででリラックスしていると、自律神経の「副交感神経」が優位になり、血管が拡がるのため血流が良くなります。
サウナは結構促進の効果があるといわれていますが、その理由は血管が拡がり、血がサラサラと流れるようになるからです。
血管が拡がり血流がよくなった状態で急に立ち上がると、血液が下半身に向けドッと下がってしまい、上半身から上の血液量が少なくなってしまいます。
血管が拡張された状態なので血圧が低下しており、血液を下から上へ押し上げるためのポンプ作用が弱くなるわけです。
その結果、上半身よりさらに上の「脳へ」送り込む血液(酸素)が少なくなるため、脳が酸素不足・酸欠状態になり、立ちくらみが発生するのです。
これが、起立性低血圧の仕組みです。
目がチカチカしたり頭がクラっとしたときは、まさにこの「起立性低血圧」の状態のサイン。
大丈夫だろうと無視してサウナルーティンを続けると、ケガや事故につながるリスクが高まることを理解しておいてください。
3, 立ちくらみの予防策
サウナにおける立ちくらみを予防するため、サウナ・水風呂・休憩のセットをする際に特に注意すべきポイントを解説していきます。
①ゆっくりと立ち上がる
サウナにおける立ちくらみを予防するためのポイント1つ目は、サウナ・水風呂・休憩用のイス等から立ち上がるときは「ゆっくりと立ち上がる」ことです。
先述の通り、血圧が下がっているときに急に立ち上がると、血液(酸素)が重力で下半身へ一気に落ちてしまいます。
立ち上がった瞬間に目がチカチカするのは、危険なサインです。
サウナから出るときは頭を下げたままゆっくりと立ち上がる、水風呂から出るときは一旦湯船のヘリに腰かけるなど、ひと息おいてから立ち上がることを意識しましょう。
②体調が悪いときは無理をしない
サウナにおける立ちくらみを予防するためのポイント2つ目は、「体調が悪いときは無理をしない」ことです。
副交感神経などをはじめとする自律神経は、その日の体調に大きく影響を受けます。
「せっかくのサウナだから」「忙しくてなかなか来れないから」といって無理は禁物!
その日の体調に合わせたサウナの楽しみ方を心掛けましょう。
もちろん、サウナを利用する前の飲酒は厳禁ですよ!
③「ヤバイな」と思ったらしゃがみこむ
サウナにおける立ちくらみを予防するためのポイント3つ目は、「ヤバイな」と思ったらしゃがみこむことです。
もし立ちくらみの予防策をとっても立ちくらみに襲われてしまったら、その場ですぐにしゃがみこんでください。
クラクラっとしたタイミングでイスを探していると、その間に気を失ってバタンと倒れるリスクがあります。
「やばいな」と感じたら、すぐにその場でしゃがみ込むようにしましょう。その際、両腕で頭をかかえるような姿勢になれるとベストです。
しゃがんだ状態であれば、最悪そのまま倒れてしまったとしても、立った状態のまま倒れるよりはケガのリスクが大幅に減ります。
ヤバくなったらすぐしゃがみ込む。この鉄則は、ぜひ覚えておいてくださいね。
まとめ
今回は、サウナライフを正しく満喫するための『サウナ・水風呂で立ちくらみする仕組みと予防策』について解説してきました。
正しい知識でリスクを避け、安全に楽しくサウナを利用しましょう♪
この記事が、サウナをより楽しむためのヒントになれば幸いです。
最後までお読みいただき、有難うございました。
正しい知識をもって、サウナをさらに楽しめるようにしましょう。